『The特撮collection』というプラモデルがあったのをあなたはご存知ですか?
ガレージキットが入手できない高一生には、このプラモデルで我慢?するしかありませんでした。
ゴジラ欠乏症の前に現れた怪獣のプラモデル
1983年当時、雑誌『ホビージャパン』の怪獣特集を見て、魂を揺さぶられてしまった私は、ゴジラ関係の情報に飢えていました。
造形家の速水仁司さんの「ゴジラスーツバリエーション(GSV)」というガレージキットの写真が衝撃的で、着ぐるみの皮膚の弛みまで表現している所は、それまで子供時代に持っていた、どこかユーモラスに造られたソフトビニールの怪獣とは一線を画すものでした。
しかし地方の1高校生にガレージキットを入手する力はなく、特撮関係のムック本や研究本などを読みながら来たる『ゴジラの復活』を待っていたのでした。
そんな時、ふらっと立ち寄った仙台一番町の模型屋さんで見つけたのが『The特撮collection』と銘打たれたモスゴジの1/350プラモデルでした。
『The特撮collection』モスゴジについてのモデラーさんのブログ記事
もうパッケージのイラストの迫力にやられました。開田 裕治氏の作品だと今では分かりますが、当時は誰が描いたのかなぞ関係なく只々カッコいい、モスゴジの目の上の庇に私はやられるのです。(大戦争ゴジ以降、なんで無くしたのでしょう)
パッケージのイラストも良い、説明書も映画の写真を多く使っていてなかなか良い。
それで肝心のゴジラのプラモデル本体はというと…。少し可愛くデフォルメされていた。やけに手足の爪が小さくて、鼻の下が長かった。原型の制作は、あのガレージキットGSVシリーズの速水仁司氏らしかったが、なんでこんなにあちらの物と違うのか?金型技術に限界があったのでしょうか?
生まれ変れゴジラ!倉田浜干拓地バージョンへ!
『The特撮collection』のモスゴジを完成させてから程なくして、私は粘土造形で怪獣を作り始めました。自分としてはかなりいい感じで作れている感じだったので、ある日、前に作ったプラモデルのモスゴジを眺めながらある欲望が湧いてきました。「おまえを作り変えてやる!」
頭が大きく感じたので一旦ネック部分を糸ノコで分離し石粘土のアーチスタフォルモで首を継ぎ足し延長。ゴジラ特有の皮膚のヒダヒダのゴツゴツ感をだしてやる!とボディー全体にフォルモを薄く張り付け乾かぬうちに彫刻刀で溝付け。
このゴジラのプラモデルにはモスゴジ特有の膝小僧のプロテクター状になっている部分のポチポチが無いのが不満だったので、ここもフォルモを付けペンの先の丸い部分を押し付けて成形。
しかししかし、全然リアルになりません。モデラーさんに言わせたら「なんてことするんだー!勿体無い!」って感じでしょうか。
決まりが悪いので、ジオラマで使う「土」のパウダーを振りかけて、(ここで伊福部サウンド『ゴジラの恐怖』ダーン、ダッダッダダッダーン)と、倉田浜干拓地出現バージョンにしてみました。
正月帰郷の時に写真を撮りました。
指が無い‼︎
私が実家を出てから家に親戚の子供たちが来るたびに飾り棚から出し入れしていたらしく、他の粘土造形とぶつかり合って、どれも何処かしら壊れてしまっていました。およそ30年前のゴジラ達です。
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