私は幼い頃、何も疑問を持たずにそのシーンを観ていました。
『怪獣総進撃』で、ゴロザウルスが凱旋門をぶち壊しながら地底から現れるあのシーンを!
だって、全然違和感が感じられないほどによく出来た特撮シーンだったからです。
ゴロザウルスは地底怪獣だったのか?
ものごころついてから、特撮のムック本を読んだり、ビデオレンタルで『怪獣総進撃』を見直してみて、
「いくらなんでも、ゴロザウルスは地中を掘り進めないだろ!」
と、遅まきながら気づいた私ですが、あなたは、このシーンを最初に見た時、どう感じましたか?
最初から「これはおかしいだろ!」と思いましたか?
私は最初、全然おかしいとは思わなくて、むしろ、世界各国に怪獣が出現するシーンの中で一番の名場面だと思いました。
あの凱旋門がガサッと崩れるシーンは、ハイスピード撮影を駆使した、建物の重量感がたまりません。
それに、私には「地底怪獣」という言い方が「バラゴン」だけに向けられた代名詞だということを認識しておらず、
地底から出てきたから、ゴロザウルスも地底怪獣なのだと、映画の中のアナウンサーも認識して、そう言ったのだととらえていました。
「フラバラ」を知って認識を変える
『フランケンシュタイン対地底怪獣』は、大好きな映画です。
ゴジラ復活祭1983での全国オールナイト行脚上映の時に仙台の劇場で初めてスクリーンで観たのです。
感動して『フランケンシュタイン対地底怪獣』のドラマ音声LPレコードも買いました。
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ここでやっと把握しました。
「地底怪獣」の漢字に「バラゴン」とルビがふってある。
「地底怪獣」と書いて「バラゴン」と読む。
怪獣版のキラキラネームだったことを…。
ここで、話題がゴロザウルスに戻ってきます。
地底怪獣がバラゴンのキラキラネームだと知って、初めてここで私は、
「おかしいやん!ゴロザウルスじゃ!」
となったわけです。
気づくに遅すぎるやろ!
バラゴン間に合わず!
凱旋門に登場するはずだったバラゴンは、円谷プロに貸していて、他の怪獣に改造していて、元のバラゴンに戻すのが間に合わなかったというのが通説です。
東宝に戻ってきたバラゴンの着ぐるみは、なぜか凄く膨らんでいました。
間に合わなかったバラゴンの代役となったのがゴロザウルス。
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凱旋門の高さは何メートル?
パリの凱旋門の高さは50mです。
今、ヤフーで画像検索して確認してみましたが、
ゴロザウルス、地表まで全身出てきたら、凱旋門より高いんじゃないか?
ゴロザウルス全高50mオーバー!
当時のゴジラよりデカイです。
(ゴジラ大百科によるとゴロザウルスは全長でも35m。『キングコングの逆襲』の時点では。)
仮にバラゴンの着ぐるみが撮影に間に合っていても、やっぱり縮尺が合いません。
バラゴンは身長(全高)25mです。
バラゴンの着ぐるみを使っても、
これもたぶん凱旋門の高さを超えそうです。
爬虫類はどこまでも大きくなる
ここで、考え直さなければいけないことがあります。
ゴロザウルスは恐竜のアロサウルスの末裔だとゴジラ大百科に書かれていました。
私は幼い頃、学研の『恐竜のひみつ』を読んだ時、爬虫類は哺乳類と違って、死ななければどこまでも大きくなる。
というのを読んだことがあります。
現在それが正しい説かはわかりませんが、本当だとしたら、
50mを超えるゴロザウルスやバラゴンがいたっておかしくないわけです。
あのシーンは、あれでいいんです。
いくらなんでも土は掘れないだろ!
ゴロザウルスさん、あの体型で土中を掘ってモグラのように進むのはさすがに無理というものです。
掘れるとしたら、あの強靭なジャンプキックのできる後ろ足で掘りながら、その穴に頭を突っ込んで進んで行く!
それか、キラーク星人にも、ファイナルウォーズのX星人のように、怪獣を瞬間移動させる能力があったとしか思えません。
「凱旋門の下にテレポーテーション!!」(キラークおばさん)
オーストラリアでのジラみたいに…。
本当によく出来た着ぐるみ
ゴロザウルスの着ぐるみは、ほんとによく出来ていますよね。
製作は安丸信行氏。
この、ゴロザウルス造形の素晴らしさと、後に製作した「メガロゴジ」の完成度の落差を考えると、安丸氏に、
「いったい何があったんだ!!!」
と思いたくなりますよね。
メガロゴジのファンの方、ごめんなさい。
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ゴロザウルスはリアルじゃなくなった?
ゴロザウルスを初めて見たとき、ほんとによく出来た恐竜型の怪獣だと思いました。
『恐竜百万年』に出てくるティラノサウルスより、断然ゴロザウルスが恐竜です。
よくも、人の足を入れても不自然さがないように作ってくれましたという…。
しかし、時を経て、肉食恐竜の姿勢が明らかになってきたのです。
『ジュラシックパーク』を観ても分かるように、恐竜は水平に近い姿勢だったのです!
知りたくなかった…。
あんなにリアルに見えたゴロザウルスの立ち姿が嘘だったなんて〜〜〜〜。
しかし、怪獣としてのゴロザウルスの魅力が否定されるわけではありません。
ありがとう、ゴロザウルス。
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