『三大怪獣地球最大の決戦』は、ゴジラが初めて人間側についたように感じられる、最初の作品です。
ゴジラシリーズのターニングポイントとして重要な作品となります。
娯楽性にも富んだ、特撮シーンもふんだんにある、そしてまさに、それぞれ単体の主役作品を持つゴジラ、ラドン、モスラが一同に会するというエポックメーキングな作品なのです。
って、そんな事、あなたも分かっていることを、偉そうに解説しても仕方ありません。
ここは、いつものように、私の勝手な感想と、「そこは突っ込むなよ!」というポイントをあえて突っ込んでみるという邪悪な感想文を描いてみたいと思います。
どうぞお付き合いください。
『三大怪獣地球最大の決戦のタイトル』
キングギドラの鱗をバックにしたタイトル!かっこいいっすね〜。
と言っても、実際のギドラの着ぐるみの鱗じゃない。絵かな?
姫さまは「じゃ」を使うのものか?
「星が手にとるようじゃ」
サルノ王女は飛行機から窓の外を見て言う。
これを学生時代にレンタルビデオ借りて自宅の茶の間のテレビで見ていたら、
母親に真似されて、小馬鹿にされましたwww
外国の王女が「じゃ」って…
これ、当時の王女様が使う言葉のイメージだったのでしょうね。
おそらく、日本の将軍の娘(姫さま)が
「爺、〜じゃ!」
なんて使うイメージから来ているのだと思います。
たしか、キョンキョン(小泉今日子)がやってたドラマ『あんみつ姫』でも、「〜じゃ!」ってキョンキョンが言ってたような気がします。
映画の後半で、頭を打って、金星人から王女に戻った時のセリフのほうが、インパクトがあります。
「そなたは、誰じゃ?!」www
『三大怪獣〜』の舞台は冬ですが…
物語りの舞台の日本は、冬だというのに麻布で日本脳炎が発生するという以上気象。
しかし、進藤(夏木陽介)の読んでいた新聞には『金華山沖に流氷』の文字が…。(宮城出身の私としては、なんか嬉しい気持ち)
ということは、「冬なのに暑い」という設定ではなくて、「ぐちゃぐちゃの異常気象」ということなのでしょうか?
一応、進藤の家ではコタツは出されています。
進藤家で交わされる兄妹の会話
「いいもの見せてもらったよ、女は車に弱い。」
「なんだ、しまらねえの。〜村井さんって大学の助教授よ。」
からの、母上の「いいじゃないか。」
あたりのくだり。
これ、怪獣映画か?と疑うほどのアットホームな雰囲気。
時代ですね。この母上は普段着が着物です。『サザエさん』の「ふねさん」みたい。
このシーンも、学生の頃、レンタルビデオ借りて家のテレビで見ていた時に、このシーンだけ、うちの母親が楽しそうに見ていたのを思い出します。
本多監督good job 。
ちなみに、私の母と星百合子さんはひとつ違いです。(どうでもいい情報)
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『あの人はどうしているのでしょう!』は凄い予算を持っていた?
進藤家のテレビには『あの人はどうしているのでしょう?』が流れる。
ザ・ピーナッツの着ている衣装は、『モスラ対ゴジラ』の時のではなくて、『モスラ』の時のじゃないか?
ちゃんと衣装を保存していたのか?それとも新しく作ったのか?
と思って調べたら、
- 『モスラ』は1961年7月公開。
- 『三大怪獣地球最大の決戦』は1964年12月公開。
3年ちょっとしか経っていないんですね。『モスラ』はもっと前の作品のイメージがありました。
ザ・ピーナッツが着ているのは、やっぱり『モスラ』の時の物でしょう。
モスラの数え方は?
子供は小美人に尋ねる。
少年:「モスラはふたりとも元気?」
小美人:「ひとつ死んじゃったのよ。」
少年:「じゃあ、もうひとりは?」
モスラを、ひとりふたりと数える少年。
そして、モスラを「ひとつ」と数える小美人。
台本が無茶苦茶やな。
って、そんなところも怪獣映画の楽しさです。
そしてブラウン管に映っているのは、インファイト島のモスラ!
テレビ局の撮影クルーは、この番組のためにインファイト島まで行ってんのか!
これは凄い予算をかけた番組だ!
てか、無理矢理1匹死んだことにすんなよ!
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小洒落たセリフの関沢新一脚本
『キングコング対ゴジラ』でも軽快だった関沢新一さんの脚本のセリフのやりとりが、この映画でも感じられます。
私はただ、このシーンについて言いたかっただけです。
進藤:
「勘定払わね〜ぞ〜」
喫茶店のスタッフ:
「はああ〜?!」
ここが、好きなんです。
ただそれだけです。www
ラドン阿蘇山から登場!音楽最高
阿蘇山の噴火口の岩場から頭を出すラドン!
このラドンはたぶんギニョールだと思いますが、
下のクチバシがパックンと開くのですが、まるで下顎を骨折したみたいにパックンと7、80度くらい開くところがちょっと不自然に見えます。
他のシーンでは、そんなことはないのですが。
そして、テーマ音楽が、なぜかラドンにハマります。
タラリリリ〜たらりラリラー。
このテーマがラドン対ゴジラのテーマとして刷り込まれている人もいるのではないでしょうか。
そういえば『ゴジラvsメカゴジラ』でのゴジラとラドンの格闘シーンでも、
タラリリリ〜たらりラリラー。が使われていました。
やっぱりゴジラドの音楽はこれでしょ!
そんでもって、噴火口の土砂に埋もれた、
翼を体の前で合わせたラドンがすげ〜かっこいい!
で、なぜか?舞い上がるラドンが、ゴジラの鳴き真似?をする?
あなたは気づきましたか?
一瞬「アエン」ってゴジラの鳴き声???
なんで?
金星人はテレポーテーションできたのか!
阿蘇山でラドンが飛び立ってから、金星人が、横浜桟橋に現れるまで、この映画では、どのぐらい経っていたのでしょう。
当時は九州新幹線も山陽新幹線も開業していません。
王女さんは、汽車には乗れそうもありません。ヒッチハイクなら可能性はありますが、熊本から横浜までは無理かも。
それかと、いちばん考えられるのは、当時、フェリーで、熊本ー横浜という便が存在した?!
これなら、ストーリーの時間の流れに間に合いそうです。
そうじゃなきゃ、金星人はテレポーテーション能力があったとしか考えられません。
横浜のセットが凄い
ゴジラが上陸するのは横浜港。
このセットも、かなり広い。
大昔、『スターログ』というSF映画雑誌があったのですが、
と書かれていました。
つまり、ワンカットのためだけにセットを組んでいる。(かもしれない。)
ゴジラが自力で上を向いてる
「クー〜ーーーーー」と、何故かジェット機のような音を立てて滑空するラドン!
それに反応するゴジラ!
この時、ゴジラが自力で頭を上に向けるように見えるのですが。
ここまでアゴを上げて、上を向けるには、
- 着ぐるみの中の中島春雄さんが、自力で自分の首の力で上を向けた?
- ゴジラの首にモーターで上を向くギミックが入っていた?
- ピアノ線で天井から吊った?
いったいどうやったのでしょう?
モスゴジといえば、頭を前に垂らした格好で三白眼の上目遣いのイメージがありますが、この上を向くゴジラがとても印象的です。
ご主人を見上げる芝犬に見えてしょうがない。
ゴジラの目が動くようになった!
この、上空をうかがうゴジラを見て、前作と変わったところは、ゴジラの目です。
前作『モスラ対ゴジラ』では、目は動かなかったはず。
『三大怪獣〜』のモスゴジ?は眼球が動きます。
目の部分は透明のカプセルのようになっていて、その内側に眼球があります。
それは前作も同じだったようですが、
この透明のカプセルが凄く出っ張って出目金状態に見えるのが、どことなく可愛く見える原因かもしれませんね。
ちゃんと、目の焦点が合っていて、上空のラドンを探している雰囲気が出ていて好きなシーンです。
夏木陽介さんは、本当に運転している?
王女を連れて一向は、塚本研究所に向かいます。
その時、進藤(夏木陽介)が車を運転しているのですが、本当に彼が運転しているのでしょうか?
通常テレビドラマなんかでは、レッカー車みたいなやつで車を引っ張って撮影します。
でもこのシーンでは夏木陽介さんが本当に運転しているようにも見えます。
あなたはどう思います?
しかし、運転しながら後部座席に乗っている直子(星百合子)たちに、ぐるっと顔を向けるのは、危なすぎるー!
やっぱり運転してないか。
この「嘘臭い運転シーン」で思い出されるのが、『ゴジラ対メカゴジラ』での大門正明さん。
よそ見しながらハンドルを右に左に細かく動かす動かすwww
完全に運転してないやんwww
でも、そんな演技も見ていて楽しい怪獣映画なり。
志村喬さんがいると映画が締まる!
何故でしょう。
志村喬さんがいるだけで、映画の品格がぐんと上がると感じるのは私だけでしょうか。
やっぱ演技が上手い。
というか、演技してる感がない。
『フランケンシュタイン対地底怪獣』の冒頭のシーンの軍医の役もハマってたなぁ。
松本市広報課はどうやってキングギドラという名称を知った?!
今夏、『三大怪獣地球最大の決戦』を見直してみたら、
ここにも、怪獣を呼称するシーンがありました。
「松本市の広報課の放送です!昨夜半、黒部渓谷霞沢に姿を見せた宇宙怪獣はキングギドラと判明〜」
と、逃げる住民の中を広報車が放送しながら走って行きます!
凄い情報網だ!
塚本研究所での金星人さんの話を既にキャッチしている松本市広報課!
この時点で、金星人さんの話が真実だと、松本市広報課さんは認めたことになります。
もう、あの人は金星人だったんだ!
キングギドラは東京〜横浜を行ったり来たり
黒部渓谷で姿を表したキングギドラは、松本市を破壊した後は、なぜか東京に向かいます。
国会議事堂を掠め飛んだキングギドラは、カット割では、
西武園遊園地?
↓
横浜マリンタワー
↓
東京タワー
一度、横浜に行ってから東京へと戻る!
まあ、キングギドラなら2、3分で戻って来れるか?
このあたりの編集は、
「東宝特撮未使用フィルム全集」というビデオ作品を昔見たことがあるのですが、もっと別なカットがいくつか見ることができました。
破壊する場所の順番までは、こだわっていないようです。
そんでもって、なぜかキングギドラは三大怪獣のいる富士山麓に飛んで行きます!
なんでわざわざ。
本能なのか?!
ラドンをリアルに見せるのは大変そう
ラドンを上手く動かすのは、ほんと大変そう。
着ぐるみのラドンを飛ばすシーンがやっぱり好きですね。
串刺しの小さいラドンじゃなくて。
私のお気に入りは、ゴジラに体落としを喰らわされるところです。
ラドンは、翼で突風を起こし、ゴジラが後退りするという流れ、
無理やろ!!
モスラもワープできんのか!
「モスラが来るのよ!」って!
おい!もう来たんかい???!!!
このへんの時間の流れが分かんない。
「モスラを呼んでくだされ」から、
「モスラが来るのよ!」まで、
何日経っているんだろう。
インファント島から日本まで、1日でモスラは泳いで来れるか。
そういえば、バトラはワープしてましたよね?
昭和シリーズは、やっぱり富士山だよね
84ゴジラが製作される時、原点回帰で「ゴジラは夜だ」なんて言われていました。
しかし、ずーっと第1作『ゴジラ』を観れなかった私のイメージは、
「ゴジラには富士山」です。
あなたはどうですか?
それにしても、富士山の背景画、いつも素晴らしいですね。
あれが嘘っぽかったら、『怪獣総進撃』も成り立ちませんでした。
そういえば、平成以降のゴジラ映画で、富士山がバックってあったかな。
『ゴジラ対ビオランテ』『GMK』は、『三大怪獣地球最大の決戦』と同じ、箱根が舞台になっていますが、富士山は出てきましたっけ?
後で要チェックや!
見せ場は、鳥居と橋
『三大怪獣〜地球最大の決戦』は、いくつも見せ場がありますが、その代表をチョイスしてみます。
私の好きなシーンです。
まずは、なんと言っても、
「鳥居の向こうに見えるキングギドラ」の遠近感!
円谷特撮は、巨大感を遠景で表現するのが定番です。
(最近のウルトラマンZを見ていると、見事に受け継がれていて感動)
その鳥居が破壊されるシーン!
素晴らしい。
そして、ゴジラが転倒して崩れる赤い橋!
あの橋は実際に存在するのでしょうか?
Googleアースで行ってみますか?
Googleアースで、ロケ地ツアー。
そんな暇ありません。
ラドンはなぜモスラを背中に乗せた?
絶対、特撮班は会議しましたよね。
モスラをラドンの背中に乗せるか、
それともラドンに足で掴ませるか。
絶対、足で掴んだほうが、飛びやすかったと思いませんか?
ゴジラを掴んで飛べるくらいなんだから。
他の映画からの影響、他の映画へ与えた影響
確か『三大怪獣地球最大の決戦』は、『ローマの休日』からインスパイアを受けていると聞いたことがあるのじゃwww
でも『ローマの休日』の吹き替えで、姫は「じゃ!」は、使ってませんよね、たぶん。
そして、『三大怪獣地球最大の決戦』はアニメ映画の『幻魔大戦』のプロットになっているとも本で読んだことがあります。
私は『幻魔大戦』観ていませんが、敵同士が協力して、もっと大きな敵と戦うのかな?
そして、私の勝手な想像です。
映画『ボディーガード』って、『三大怪獣地球最大の決戦』に影響されてませんか?
夏木陽介さんのセリフ「そして、あなたのボディーガード!」
が、余計にそう感じさせられます。
なんだか、ケビン・コスナーと、この時の夏木陽介さんって似てませんか?
似てないか…
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