高島忠夫さんに哀悼の想いを込めて、この記事を書きました。
『キングコング対ゴジラ』をはじめとする東宝の特撮映画に出演し、私達を楽しませてくれた高島忠夫さん。
ありがとうございました。
あなたの名前は、東宝特撮の名作のいくつかとともに、永遠に語り継がれていくでしょう。
高島忠夫さんの出演した東宝特撮映画は名作ばかり
私は、俳優としての高島忠夫さんは、東宝特撮映画でしか知りません。
その映画とは、
- 『キングコング対ゴジラ』
- 『海底軍艦』
- 『フランケンシュタイン対バラゴン』
- 『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』
他にも、出演されていましたか?
(平成ゴジラシリーズの「ゴジラvsメカゴジラ」に出演されています。)
俳優としての高島忠夫さんは、ほんとにこの4作。
小学の低学年の頃、午後早めに帰宅した時、テレビでやっていた昼メロみたいなドラマで、誠実な板前さんの役をやっていたのをうる覚えの記憶があります。
「待ってて恋さん」って歌がありますよね、その歌を題材にした昼メロだったと思います。
たぶん、花登筺さん脚本のドラマっだったかもしれません。(細腕繁盛記でした。)
話を戻します。
世界に轟く『キングコング対ゴジラ』で名演!
高島忠夫さんの種した東宝特撮映画は、名作ばかりです。
大ヒット映画『キングコング対ゴジラ』の、主演です。
主演はゴジラとキングコング?
だとすれば、助演男優賞は高島忠夫さんでしょう。
高島忠夫さん扮する「桜井」キャメラマン(カメラマンじゃなくキャメラマン!)は、劇中では、ほとんどキャメラの操作はしません。
ゼンマイみたいなのを巻いてハンドカメラで、ゴジラとコングの第一回戦を撮影していましたね。
これを書いていて、
- 「キャメラマン」はテレビや映画の撮影。
- 「カメラマン」は写真を撮る人
ということに気づきました。
この映画は、当時、東宝での人気シリーズの「サラリーマンシリーズ」の影響を受けているようです。
関沢新一の軽いノリを、有島一郎さん、藤木悠さん、そして高島忠夫さんが名演しています。
高島忠夫さんが、加山雄三さんが出てくる前の、東宝「ネアカ」を代表する俳優さんだったような気がします。
ハリウッド版「ゴジラ対コング」が2020年公開予定です。
それを目前にして『キングコング対ゴジラ』で名演の高島忠夫さんが逝かれたのは寂しい限りです。
有島一郎さん、藤木悠さん、高島忠夫さん。もういません。
しかし、『キングコング対ゴジラ』は永遠に観続けられるでしょう。
もう一つの名演。フラバラの川地さん
「いぇーい」のネアカの高島忠夫さんですが、名作『フランケンシュタイン対バラゴン』では、高島忠夫さんの陽気なイメージとはちょっと違ったシリアスな研究者の役が名演です。
映画の中では、ラブストーリー設定にはなっていませんが、
男2人、女1人の、三角関係の様な間柄が暗示されていて、川地(高島忠夫)が女性(水野久美)に対して、ボーエン博士よりも分が悪い感じを、上手く演じています。
演技の中には、ほんのちょっとだけ「嫉妬心」のようなものを入れているところがなかなか良いのです。
これは、本人の演技力だったのでしょうか?
それとも、本多猪四郎監督の演技指導なのでしょうか?
物語の途中から、フランケンシュタイン擁護派から退治派に変わっていく川地博士が、フランケンシュタインに助けられる。というのが、フランケンシュタインの善玉感を上手く強調しています。
高島忠夫さんは球技が苦手?
『フラバラ』の大好きな怪獣映画ファンの間でも賛否両論?なのが有名なあのシーンです。
そう、
川地博士(高島忠夫)が目潰しを森に向かって投げるシーン!!!
ここ大注目です!
80年代に出版された宝島別冊『ゴジラ宣言』でも、みうらじゅん氏も突っ込んでました。
高島忠夫さんが目潰しを投げるそのフォームが、なんとも…。
しゃっ! (腕を振る音のイメージ)
腕を振るかっこ、投げた後に両足が地面にピタッと付いているのが不自然、というかかっこ悪い。
と言っては高島忠夫さんに失礼か?
本多猪四郎監督は、自分で演じて見せるタイプの監督だったと聞いています。
もしかして、本多猪四郎監督が、あんな風に目潰しを放り投げるようにやってみせたと、その状況を想像すると可笑しいです。
本多監督:
「いいか、高島くん、森の遠くにこうやって投げるんだ、はーっ!」
て、あのポーズ。
そのあと直ぐにバラゴンが森の中からの現れるのですが、今度はボーエン博士(ニック・アダムス)も一緒に目潰しを投げるのですが、高島忠夫さん、こんどは投げ方が弱い。
全然、バラゴンに届かない投げ方です。
高島さんは、野球やったことなかったのかな。
そのシーン以外は名演ですよ高島さん。
『海底軍艦』は、最後に観たのは25年くらい前なので、残念ながら高島忠夫さんの役がどんなだったか覚えていません。
『ゴジラの息子)では、髪を白毛にして「オヤジ」という老け役にチャレンジしていました。
なんとその時の実年齢は37歳!!
若者じゃないですか!
高島夫妻の『ごちそうさま』
『キングコング対ゴジラ』を見るまでは、高島忠夫さんのイメージといえば、『ごちそうさま』と、『ドレミファドン』でした。
ビートたけしさんのネタであったのが、
という笑のネタでした。
分かりますか、スポンサーさんが「味の素」だったのです。
『ドレミファドン』は観ていませんでした。
しかし、赤だったかピンクだったかのブレザーを着て「いえ〜い」とやっていたのを覚えています。
最後に明るい高島忠夫さんをテレビで見た記憶があるのは、あるトーク番組で、宝田明さんと高島忠夫さんと、もうひとりが思い出せませんが、往年の東宝のスター3人でがゲストの番組でした。
記憶が定かではないのですが、MCは、さんまさんと所さんだったかな〜?
とにかく、そのトーク番組は面白くて、高島忠夫さんもノリノリでした。
あの番組、誰か、YouTubeにあげてくれないかなぁ。
まさかそのあと高島さんが鬱病になられるなんて思えませんでした。
高島忠夫さんがいて政宏、政伸がいる
高島忠夫さんがいるから、「ゴジラ対ビオランテ」という名作があり、「ゴジラVSメカゴジラ」というヒット作があるのです。
高嶋政伸は、まだ、「ホテル」などで演じている、彼独特のペーソス溢れるキャラを身につける前でして。
シリアスな視線で、頭の切れる青年自衛官の役を好演してくれました。(ゴジラ対ビオランテ)
兄の政宏は、ちょっと演じづらい脚本にもかかわらず、東宝に忠誠を尽くしてくれました。
(ゴジラvsメカゴジラ)(高島忠夫さんも同作「ゴジラvsメカゴジラ」に出演されています。)
これも、高島忠夫さん、あなたがいてくれたおかげでです。
またひとり、昭和の名優が旅立ちました。
今は令和元年。