アンギラスの鳴き声ってかっこいいですよね。
いかにも、喉の奥の方で
「クウゥ〜う、クゥゥ」と息が何かにぶつかって振動しているような鳴き声です。
どでかい怪獣なのに甲高い声
アンギラスは体長60mにもなる大怪獣なのに、鳴き声はとても甲高い。
これは不思議です。
人にしても、女性より男性の方が、声帯が長い傾向があり声は低くなります。
個人差はありますが、身長の高い人のほうが、声帯が長い傾向があり、声が太く低い印象があります。
そんなこと考えてみれば、あのどでかいアンギラスが「クウゥ〜う、クゥゥ」と、甲高い声を出すのは、声帯から出ているものではないと考えられます。
あれだけ甲高いということは、小さなものが振動した音の集合したものかもしれません。
東宝の音効さんはどうやってアンギラスの鳴き声をつくったのか?
ゴジラの声が、どうやってつくられたかは有名な話ですが、アンギラスの鳴き声はどうやってつくったのでしょう?
おそらく、ゴジラの鳴き声と同じような方法でつくられたのだと思われます。
広く伝わっているお話によりますと「コールアングレ・cor anglais」(English horn、イングリッシュホルン)という木管楽器の音を加工したものと言われています。
アンギラスが初登場した映画『ゴジラの逆襲』の音楽は、伊福部昭氏ではなく佐藤勝氏です。
ゴジラの声のアイディアは伊福部昭氏が関わっていますが、アンギラスの場合はどうなっていたのでしょうね。
東宝の「東宝効果集団」の三縄一郎 さんが、伊福部昭さんのやった作り方と似たような方法でつくったのかもしれません。
私の別の推測
『ゴジラ』製作時、「東宝効果集団」の三縄一郎さんは、ゴジラの鳴き声を作るに際し、
ゴイサギの鳴き声を使ってみたそうです。
結局、伊福部昭さんのアイディアを採用してコントラバスの弦を松ヤニのついた革手袋でこすった音を加工するという方法が採用されました。
伊福部昭氏が参加していない『ゴジラの逆襲』では、もしかしたら、三縄一郎さんのゴイサギの声を使ったアイディアが復活したかもしれない。
私はそんな考えが浮かびました。
YouTubeにゴイサギの鳴き声があがっていないか調べてみるとありましたありました。
聴いてみると、怪獣ぽいような気もします。
YouTubeは再生スピードを上げたり下げたりできます。
再生スピードを0.5(半分)にしてみると、
アンギラスっぽいぞ!
再生スピードを0.25(1/4)にしてみると、
…音が出ない。
音声が出るのは0.5(半分)まででした。
おお!これはまさしくアンギラス!(ぽいぞ)
これで、エコー(リバーブ)をかけて、声の最後をクイっと 上げたら、ほんとにアンギラスじゃないですか!
三縄一郎さんは、ゴイサギの声を使うアイディアを捨て切れなかったのではないだろうか?
これは、私の妄想だけの推測です。
鳴き声は語尾を上げるのがコツ
ゴジラ、アンギラス、初代キングギドラの中の1匹。
全部ではないものの、怪獣の鳴き声は声の最後の部分をクイっと上げるのが、生物感をだすコツのように思えます。
アンギランスなんか特に。
これは、エレキギター奏法、「チョーキング」のようなものです。
弦をフレット上で指で引っ張り上げ、音階を上げる方法です。
「ブルーノート」といって、チョーキングによって、譜面に表せない中途半端な高さに音の最後をクイっと上げるのです。
まさに怪獣の声のように。
演歌歌手も似たようなことをします。
最後に声を伸ばす時、演歌歌手は声をビブラートさせながらシャープさせます。
わざと音を外していくのです。
それで、感情を表現します。
つんく♂唱法ってしってますか?
ハロプロのアイドルたちは、以前は新曲を覚える時は、つんく♂氏の歌った「仮歌」を聴いてから真似するようにしてレコーディングしていました。
つんく♂唱法も、歌のフレーズの終わりの部分をクイっとあげて女の子っぽさを強調する歌い方なのです。
ゴジラや、アンギラスの鳴き声が「つんく♂」唱法のアイドルに聞こえてしまう。
私はバカですね。
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