『84’ゴジラ』。今となっては異色作として見られがちな、昭和時代最後のゴジラ映画です。音楽は小六禮次郎さん。
ありがとう、84’ゴジラ
この84’ゴジラが結局の所、後のゴジラ映画への襷を繋いでくれたキーポイントになったという事実はまぎれもなく、これは感謝してもしきれません。
もう、当時のゴジラファンにはこれを見るしかなかったワケです。公開当時は、一般家庭にビデオデッキがようやく行き届いたかな?という時代でした。(私の家にはビデオデッキは有りませんでした。)
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ゴジラのビデオソフトは既に販売されていたハズですが、凄く高価な代物だったと思います。少なくても高校生の私にとっては。
そんなワケで、好き嫌いに関わらず、私は84’ゴジラに意識が集中していきました。塩釜東映に1年後にリバイバル上映が来た時は、ガラガラの映画館で入れ替えなしで1日3回観ました。サントラLPも購入しました。
84’ゴジラの音楽
またまた浅い記憶で書きますので、ツッコミ入れてください。
牧五郎(田中健)がヨットで海をゆく冒頭のシーンで流れていた、沢口靖子さんの
「さよならの恋人」。
乗っけから違和感ありまくり‼︎
これって、ラジオから流れているっていうシチュエーションでしたっけ?
この歌詞、確かゴジラを恋人に見立てて書いた歌詞ですよね。(作詞・荒木とよひさ/作曲・三木たかし)ってテレサテンのコンビじゃないですか‼︎
しかし、言いたい事が…。
この曲、私の頭の中で題名が勝手に
『こんくりいとの森』
に変わっていました。いいでしょ?
『こんくりいとの森』www
コンクリートじゃなくて「こんくりいと」にするのが、ミソです。www
沢口靖子さんは、映画『刑事物語・潮騒の詩』の挿入歌『潮騒の詩』に次いで、二曲目のシングルでした。
『こんくりいとの森』…じゃなかった、『さよならの恋人』です。
しかし、これらの曲はまるで無かった事のように、数年後、ミュージックステーションで沢口靖子さんは、小室サウンドをツッタカッタッターと歌っておられました。
まるで初めて曲を出しました〜って感じで。沢口さん…。
壮大な小六禮次郎サウンド
そしてここからが本題です。本編の音楽は、小六禮次郎さん。実生活では、「さくら」いや、倍賞千恵子さんのご主人です。
小六サウンドは壮大でした。
84’ゴジラという映画自体が、これまでのゴジラ映画の「SFおとぎばなし」から「擬似パニック体験映画」に路線が変わっているので、音楽にもそれが出ている感じがします。
子供が聴いてワクワクするタイプの音楽より、緊迫感を煽る?ような効果音的な使い方をしている気がします。
そして、なんだか、ゴジラが出てこないシーンのほうが、画面にマッチした音楽が流れている印象もあります。新宿の夜景にパッと切り変わるシーンとか。
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スーパーX、ただいま発進!
84’ゴジラの音楽での出色は、なんといっても、スーパーXのテーマでしょう。
新宿を通ると私の脳に流れ出すBGMはこれです。チャンチャーン、チャンチャチャーン、チャンチャチャンチャン〜照明弾発射!カドミウム弾発射!ギロリッ!
そしてクライマックスシーンの情緒的音楽。ゴジラへの同情と、日本がゴジラの危機から逃れられたという総理大臣の安堵感と、林田博士のゴジラに対する複雑な心境と…。田中健と沢口靖子の通じ合う心…は、もう、どうでもよくなっている。
このラストの音楽は結構難しかったのではないでしょうか。 小六禮次郎氏は、画面から伺える感情から音楽を付けていく手法のようです。
伊福部昭氏は小六氏と比べると、感情面からよりもドキュメンタリータッチに音楽をつけている感じがします。もし伊福部氏が、この84’ゴジラのラストに音楽を付けるとしたらどんな感じだったでしょう。
おそらく、初代『ゴジラ』のラストの音楽。『メカゴジラの逆襲』のラストシーンの音楽。『ゴジラ対デストロイア』のゴジラのメルトダウンのシーン辺りのサウンドをお付けになるのでしょうね。 なんか想像してみると、マッチしているかも。
ザ・スターシスターズ
エンディングテーマはザ・スターシスターズの『GODZILLA・愛のテーマ』英語曲なので、海外発注だと思ったら、作曲は小六禮次郎さんじゃぁないですか‼︎ 歌詞の中に1ヶ所「さよなら〜」と入っています。
ザ・スターシスターズのお三人さんはオランダのお人だったのですね。オランダ人が歌う英語歌詞の歌。ん〜怪しい。きな臭い。騙された感。 でもなかなかいい曲ですよ。
84’ゴジラ観ていて、ふと思ったのですが、映画のエンディングでテロップが延々と流れるようになったのって、いつからなんでしょう?
過去の東宝特撮では、伊福部サウンドの全音符連発で、じゃぁ〜〜んじゃぁ〜〜ん『終』の字で終了していたような気がするのですが。