怪獣映画は、荒唐無稽です。
しかし、荒唐無稽な一箇所だけ、目をつぶって「あり得る」と自分の心を騙しきれば、ストーリーは、超リアルな世界へと広がっていくのです。
そこに、本当にあった実例を上手く物語に絡めていくと…。
怪獣映画に出てくる実例は本当の話?
怪獣映画の中の突拍子もない出来事を、観ている人達に納得させるためでしょうか、劇中でしばしば、過去にあった実例を、博士が話したりします。特に平田昭彦さんが演じる博士が。
平田昭彦さんが説明すると、言っている「実例」が、本当の事に聞こえてくるから不思議です。(これが東大卒のオーラか!違う違う)
フィクションの中のそのまたフィクションなのか?
実例は本当に「実例」であればストーリーがグッとリアル感が出ますが、この「実例」、本当なの?という思いが浮かんだのです。
では、今回は『キングコング対ゴジラ』から、
「3000年前の蓮の実に花を咲かせた」というお話。
この「実例?」は、子供の頃、NHKの朝のニュースで見たような怪しい記憶がありました。あながち嘘ではない話として観ていましたが実際は?
果実の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長い間保持することができる。1951年(昭和26年)3月、千葉市にある東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で発掘され、理学博士の大賀一郎が発芽させることに成功したハスの実は、放射性炭素年代測定により今から2000年前の弥生時代後期のものであると推定された(大賀ハス)。その他にも中尊寺の金色堂須弥壇から発見され、800年ぶりに発芽に成功した例(中尊寺ハス)や埼玉県行田市のゴミ焼却場建設予定地から、およそ1400年から3000年前のものが発芽した例(行田蓮)もある。wikiより
オイオイオイオイ⁉︎ 重沢博士(平田昭彦)の話は、マジだったのか!いいぞいいぞ! 私の子供の頃のニュースの記憶もこれで証明されました。
ちなみに、蓮の種の話は『空の大怪獣ラドン』でも平田昭彦さんが扮する博士が同じ内容の話を言っていた気がします。脚本家の方は違いますが、また使いましたね、同じアイディア。
追記)このハスの種のお話、2017年11月22日に観て来ました、アニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』の中でもキャラクターに語らせていましたよ。3回目かな、この話題使うの。
つづいて、これ。
ゴジラが氷山の中で生きていた事を不思議じゃないと力説する重沢博士のセリフ。
200年冬眠のカエル
ニューメキシコで200年前の地殻からずっと冬眠を続けていたとしか考えられないカエルが発見されている。
これはないだろ!いくらなんだって…。もし見つかったとしても200年前の地層に自分で掘って潜っただけだろと思ってしまいました。
で、結果、この実例は出てきませんでした。
しかし、アメリカアマガエルなどに、「体を凍らせて冬眠する」種類がいる事が発見されたらしいいのです。
この種類は地中に潜る事ができないので、落ち葉の下などで、体を凍らせて冬眠するらしいのです。とはいえ2000年代になってからの発見でした。
よって、200年前の地殻の話とは関係なし。
続いて、
スイスにあった「実例」なのだ!本当か?
ある郵便配達員が落雷に打たれてね、運良く助かったんだが、体が蓄電池みたいになった事があるんだ。
嘘つけ〜〜!
ソースを探すのだ…。 見当たらない…。
雷に打たれたら80%は即死だそうな。
「スイス 郵便配達員 落雷」で検索しても、そんな実例ありませんぞ!関沢新一先生の嘘つき‼︎
キングコングの100万ボルトの電線噛み噛みを、設定上、可能にするためには、この「実例」は絶対に必要なお話だったのですよ。
静電気で帯電体質になると、体が+の電気を帯び、−の電気を持った金属のドアノブなどを触るとバチッと放電します。
ゴジラは体内に核を持っているのだから、何かしら−の電気を持っているかもしれません。だから、毛むくじゃらのコングの身体にある+電気が、ゴジラを掴んだ時に放電したっておかしくはないじゃないですか!(無理すんな)
ボロが出そうなのでこのへんにします。そういえば俺バカだったんだ。